毛細血管のすみずみに
まだまだたくさんの眠さが
小さく
大きく
かくれんぼしているのに
目覚まし時計のベルで起こされるのは
やはり
不快であるにはちがいないが
ちがいないが
目覚まし時計の鳴るまえ
まだ暗いのに
ふいに氷が溶け切ったように目覚めてしまうのも
ずいぶん恐ろしいものだと
いつも思う
からだも頭も
いまひとつ準備ができ切っていないのに
どうにも眠りという酒精が薄まってしまって
力の限界もわからずにはしゃぐ子猫や幼児のように
意識は大暴れをはじめる
あたかも
まだ夢も希望も納得も欲望も
いまひとつ準備ができ切っていないのに
ふいに扉のむこうで
呼び出しがかかりましたからと
強引に手首を引いていく
他のなによりも確実に感じられる導き手
死のように
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