猫も杓子もスマホを持っているご時世柄
ぼくも猫や杓子のたぐいなのでスマホを持って楽しんでいるが
こないだ持って出るのを忘れてしまったら
ずいぶんアタマがすっきりして気持ちいい一日となった
驚いた
スマホを見ながら車を運転しちゃいけないというが
スマホを気にしながら一日という乗り物を運転するのも
だいじょぶな気でいながらやっぱりひどくよくないことらしい
目の前に青い空が広がっていたり
いろいろな木々や草が生えている原っぱに出たりしても
スマホを持っているとメールが来たんじゃないかと思ったり
LINEにだれかメッセージしてきたんじゃないかと思ったり
ひょっとして大事件がどこかで起こってニュースになってんじゃな いかとか
あの古い歌謡曲のあのあたりをちょっと聞き返したいなと思ったり
たったひとつの薄っぺらい端末ひとつ持ち歩いているだけで
ずいぶんと落ち着かない心持ちになってしまう
ところが家にこいつを忘れてきちゃってみなさいな
なにがどう気になったって見ようがないんだから
もうすっからかんに手ぶらな心になって歩いて行くしかない
これが驚くほど心もアタマも軽くし連動して身も軽くなる
なんだか心臓やからだの節々にひさしぶりに血が温かく行きわたり
目だって額の裏の脳のあたりだって温かくなったように感じた
けっきょく猫や杓子のたぐいのぼくなんかは
スマホなんか持ち歩かないで髭やシッポだけちょんちょんさせて
大空を見上げたりあちこちの隅っこや電信柱の裏なんか見たりして
なんか面白いもの落ちてないかなとか思いながら歩いたほうがいい らしい
いろいろに分裂してたじぶんがひさしぶりに合わさった感じで
生きるってこういう感覚じゃなかったかなって思っちゃったぐらい
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