森や林のある夜の公園でも
大きな河沿いを長く続く真っ暗な道でも
まわりにほんとうにだれもいない時もずいぶんあって
物理的な空気とは違うもっと大事なエーテルを呼吸するための肺が
いつものじぶんのからだのまわりに大きく張り出すのを感じる
その気持ちよさといったら!
なんて長いことするべき本当の呼吸をしてこれなかったか
そう気づかされる
けれども
半径数十メートルのところに誰か現われたら
大きな大きな自然な深いこの呼吸はストップしてしまう
数メートルほどの間隔ですれ違ったりすれば
外に張り出した肺はもうすっかり失せてしまう
いまはちゃんと認識しているのだ
少なくても半径50メートルほどはまわりに誰もいないところでな いと
じぶんはたちまち擬態して防衛をはじめてしまうと
相手にわかりやすい仮面や振舞いをしはじめてじぶんを深く隠すの だと
つまり生きるということも息をするということもすっかり放棄して
人間という規格品の偽装の中に引き籠もってしまうのだと
0 件のコメント:
コメントを投稿