新型コロナウイルスと当初呼ばれ始めたが長いので
だんだんとコロナと呼ばれるようになり
海外ではCovid19と呼ばれているものの日本人好みではない ので
やっぱり「コロナ」で呼び慣わされていくうちに
友人でシングルの富家行雄がコロナっぽい体調不良になって
家で寝たっきりになり
ぼくの家からは電車で40分も乗って行かなければならないものの
最低限の食料品などは届けてやらねばならず
毎日買い出しに出て届けてやっていたら
他の友人の黒田節子も倒れてしまって
家に閉じこもりになってしまったというので
そこにもやはり食料を届けてやることになったばかりか
昔のガールフレンド西田ルリまでコロナっぽくなってしまい
そこにも食料品ばかりか生理用品まで届けてやることになったが
まだまだこれで終わりとはならず
吉田順や広末浩太郎やソン・リやジェームズ・ハリオットなどまで
コロナっぽい体調不良に陥ってしまって
かれら皆に食料や必要品を聞いて買って行ってやっているうちに
慌ただしく過ぎてしまったこの二週間ほどであった
彼らの家の玄関前に物を置いて行くので
ぼくには感染する心配はないとは思うものの
それでもドア越しにちょっとしゃべったりはするし
このドアのむこうに感染者がいるのかと思うとそれだけで
じぶんにも感染するんじゃないのかとふと思ったりもするが
まだぼくの場合は大丈夫のようで ……というか
だいたい彼らがほんとうにコロナかどうかわかったものじゃなく
例のPCR検査などにはいっこうに興味のない連中で
保健所に電話をするでもないしクリニックに出かけていくでもない し
高熱が出たり下がったり倦怠感がひどくなったり和らいだり
そんなこんなで家のなかでごろごろしているだけで
なかなか見上げた連中だと思い直している
ともかくも彼らみんなに買い物を届けに行ってやるぼくの
奇妙な修行の日々はこれからもまだまだ続いていきそうなので
ここはひとつ弟子を取るかバイトを雇うかしようと思ったりしてい るが
どうせ弟子もバイトもコロナっぽくなるのは目に見えているので
やっぱりひとりで食料+必需品配給は続ける他ないと思っている
ほんとうならどいつもこいつも劇症化して死んでくれれば
ぼくのこんな友情譚も終わりに出来るのだが
死んでほしい連中ほど死ななかったりするのは世のならい
それじゃあいっそぼくのほうが死んじまったら… と思いもするものの
ぼくのほうもなかなか死ななかったりするのも世のならい
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