母方の祖父は実業家で
なんども破産の憂き目にあいながらも
晩年は左うちわだったが
ここではそういうことはどうでもよい
子どもの頃
このおじいちゃんのわきで食事をしていたら
ぼくがあまりに食べるのが遅いものだから
「なにをぐずぐず食べているんだ?」と言われた
ふだん親に言われるのとは違って
おじいちゃんに言われたものだから
けっこうコタエて
シュンとしてしまった
そのとき
こころの中に起こったことが忘れられない
殺してやる…
とはっきり思ったのだ
自己発見のひとつだった
ぼくはおじいちゃんでさえ「殺してやる…」と
すぐに反応するこころを持っているのだ
と
殺さなかったけどね
でも
How my heart sings!なんか聴くと
(ビル・エヴァンス・トリオのCDがいつも手元にある)
おじいちゃんへの反応を
すぐに思い出す
後年
フランスにばかり行くようになって
ぼくの食事ののんびりさよりも
フランス人たちのほうが
はるかに
のんびりだと知った
おばあちゃんに
「そんなゆっくり食べてたら戦争に行った時に困るんだからね」
と教えられたアレは
なんだったんだろう?と
ニッポンの全否定に
ぼくは取りかかり始めていた
いまはむかし
だけどね
そんなことも
あんなことも
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