私は詩人ではない
と
言った
アンドレ・ブルトン
そうさ、西瓜だもんね
きみは
温泉マークから
円を除いたら
と思いながら
おら
ひとりえぐも
遠いサイレンが禁じられた祭りのざわめきのようで
未来はなつかしい プチプチ眠る
小劇場 女優にもなれざりしかば冬沼にかもめ撃たるる音聞きてをり*
街 街の灯 灯 灯 夜は美しい
ひとひとりずつみんなそれぞれの楽しみを持っている
この夜の底で
ひとひとりずつみんなそれぞれが持っている無数の楽しみ
などと
うっかり思ってしまいそうになるが 嘘
ぼくはある夜 街 街の灯 灯 灯 を見おろしていて
気づいた
無数でなどないのだ
何十億個 と
数えることができてしまう
楽しみ なのだ
と
ひとひとりずつみんなそれぞれが持っている
無数でなどない
数えることができてしまう
楽しみ
やはり
無数でなどない
星々のきらめく闇の底の
なぜか
此処
で
*寺山修司
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