2020年9月22日火曜日

ちょっとスーッとした

 

なにか書きたい時

というのはもちろん危ない

 

書きたい内容は

たいてい

外界から来た刺激への反応でしかないので

そのまま書けば

書くことは汚される

 

しかし

書くことの純潔とは

なにか?

 

・無内容を守ること

・意味が構成されそうになってしまうところで

なんとか

意味の自壊装置を内蔵させておくこと

・少しでも

結合度合いの少ない単語連結を目指して

単語+単語+単語+……

を無限に続けていくこと

などなど

 

純潔

という単語はお子様用なので

もちろん

いまさら拘泥していない

 

そもそも

「書くことの純潔」などと

手垢にまみれた文弱用語を不用意に記してしまうあたり

お里が知れるというもの

 

せめて

「純潔書き」とか?

「純書潔書」とか?

「書潔」とか?

 

見たい景色がない時わたしは呼吸さえ止めて渡り廊下で坐る

女中の篠がきっと見に来るが

篠とまぐわいをしようとも思わない

あれは祖父と父とのお手付き女

むしろ篠の娘の鈴と

…などと思ったりするが

鈴だって出入りの商人の玉兵衛と庭の隅で交合しているのを見たの

ならば

そっちで

玉兵衛と好きにやっておれ

と思ってしまう

そういう思いが無限にわたしを萎えさせる

 

外界から来た刺激への反応でしかない

感情

思い

行為

いやだね

 

汚い

情けない

 

だから

なにか書きたい時

というのはもちろん危ない

 

池の鯉たちは

わたしをどう見ているのだろう

 

「書潔」

というのは

ちょっと

わたしの気に入った

 

ちょっと

スーッとした





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