若い時には周囲の愚かな人間たちに動かされる部分も多いので
名前の善し悪しを気にしたりする
しかし歳を重ねるのにもよいこともあって
よい名前といわれるものを持っていた者たちも
ちょっとどうかという名前のものたちも
等し並みに死に絶えていったのを
さんざん見続けていった末に
名前などどうでもよいのだということが骨身に染みてわかっていく
どこかの収容所に入れられて長い番号を割り振られただけでも
平然と生き残っていく人たちも多ければ
選びに選び抜いた吉祥の名前を持ちながら
生老病死のどれにあっても過酷すぎる者たちもあまりに多かった
福や幸や寿や誉や富や吉などの麗々しく付いた名が
ごみ屋敷の表札によく掛かっていたりする
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