東の空から西の空まで
大きく見わたせる此処に住んでからは
ことに暮れがたなど
ふと空を見てしまうと
もう
目が離せない
刻刻と色のかわっていくさまは
人生の最良の光景そのものとなり
どの時点で目を離そうか
空を見るのを
どのあたりで止めようか
つらい覚悟を迫られる
この壮大な暮れがたの空があるから
あゝ わたくしは
この世からも
人生からも
もう
なにも求めてはいない
暗くなっていく地上に群立する
たくさんのあれらのビルのあかりの中で
この暮れ方の空を見ずに
この世にも人生にも
なにかしきりに求めて
慌ただしくしている人びとがいる
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