気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
おだやかな
夜の歩行だったのに
ふいに風が立ち
それも
からだが吹き飛ばされかねない
強い風で
全身で受けとめたが
このせいで
その夜の記憶は
みずみずしく
縁取りされたかのよう
いつもと同じ
ひとつの夜に過ぎなかった夜が
いつまでも
忘れないであろうかと思われるほど
心の肉への
深い刻み込みとなった
強い記憶を受けとめると
心の肉は
すぐ弾み返るので
わかる
弾み返る
夜となった
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