気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
わたしの作る歌に
まだ
わたしの紋章は刻印されていない
わたしの作る歌は
だれの作ったものであってもいいような歌
たそがれのようにかなしいかなしみが来る
うつくしくせつなくさびしく静かで孤独な
葛原妙子
わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとくかなしみきたる
『橙黄』一九五〇年
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