2021年2月8日月曜日

風も吹き添って

 

 

風も

吹き添って

きたのか

 

乙女が

挿頭として挿した

梅の花鬘

 

その花弁が

春の雪さながら

袖に落ちかかるとき

こちらにも

梅の香は

漂ってくるから

 

 

 

田安宗武

風やそふかざしの梅の衣手にかかるも匂ふ春のしら雪

『悠然院様御詠草』

 

 

 


参考歌

 

尊敬(そんぎよう)

梅花を折って頭(かうべ)に挿(さしはさ)めば二月の雪衣に落つ

『和漢朗詠集』

 

康資王母

梅散らす風も越えてや吹きつらんかをれる雪の袖に乱るる

『新古今和歌集』巻第一 春上

 

兼綱卿

乙女子がかざしの梅の花かづら千里をかけてにほふはる春

『題林愚抄』






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