そこのホームはずいぶん長いので
冬の寒い日など
はしっこに下りてしまうと
改札まで歩いて行くのに
ずいぶんつらい気がした
夏は夏で
もちろんつらいのである
炎天下
屋根があるので
直射日光は避けられるものの
なんだか
改札にたどり着くまで
生きてられないような気になる
たどり着いたにしろ
外にはほんとうに暑い街が茹だっているのである
なので
駅前の甘味処「やちぐさ」は
砂漠のオアシスのように感じられた
その店がそこにあるというだけで
生きのびられるような気がした
わたくしの場合
「やちぐさ」がそこにあるのを見るだけで
いつも生きのびてこられたので
結局
一度も「やちぐさ」には入ったことがない
生きのびることとは関係なしに
今度という今度は
「やちぐさ」を純粋に目指してそこのホームに下りたって
暑くもなければ寒くもない好日
改札まで歩いて行こうと思う
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