いつもウォークマンで
どこへ行くにも
外出時
かならず
バッハを聴くことにしていた習慣を
永遠にやめてしまう
時
が来るまで
毎日のように混ざり入っていた
渋谷の雑踏の中も
チェンバロ協奏曲やバイオリン協奏曲を
耳から頭蓋骨の中に響かせながら
見えるものをすこしでも見たいもののように見
心ここにあらず
体ここにあらず
人づきあいもすべて風景として
いたのかな
そうでも
なかったのかな
永遠にやめてしまう
時
が来るまで
今はもう
見えるものをすこしでも見たいもののように見ず
あらぬものさえ心
あらぬものさえ体
風景も人づきあいとして
なんの音楽もなしで
逃避もなしで
外出は
たゞの外出
どこへ行くにも
外出時
かならず
永遠
を
抱えて
永遠
として
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