急に音立てて降り出してきた雨が
美しいわたしを蘇らせ
雲が
もうそろそろわたしだよと
ちょっと
遠い空から
告げてきている
朝顔が
赤いのも
紫のも
今朝は咲出でて
吹きつけてくる雨にやわらかな薄い肉のように揺れる
誰か来そうな気配だったと思っていたら
来たのは
今日という日だったのね
せつなくない
と
ふと
つよく思う
団扇があって
扇子があって
わたしがせめて一度
朝のまだはやいうちに使うのを
待っている
舞っている
雨
灰色に見えるほどつよく降る時
むこうに見えている緑や黄緑が美しい
あの緑や黄緑がなかったら
この雨はどうしていただろう
わたしは死なない
みんな死ぬのが好きみたいだから
わたしは死なない
あの緑や黄緑がなかったら
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