2021年10月6日水曜日

まぶしい

 


                  いかなる個物も、より長い時間それが執拗に

                     存在しつづけたからといって、より完全である

                     ということはできない。ものの持続は、そのものの

                      本質からは決定されえないからである。

                  スピノザ『エチカ』Ⅳ序文

 

 

 

子どもではないのに

なにも確かにわかっていないのを

いつも

ほんわりと感じる

ぼんわりと感じる

 

だから

断言なんかできなくて

こうも言えるし

ああも言えるんじゃないか

いつも

ふらふらしている

らふらふしている

 

じぶんより

はるかに年下のひとたちが

ずいぶん断言するし

人生はこうでないといけないとか

すごいことも言うので

ひょえ~って

おののいてしまう

のののいてしまう

 

ぼくの場合

どこまで行っても

考え方なんか

すべて

外からの借りもの

 

もちろん

言葉も借りもの

日本語なら

だいたいわかる気でいるが

けっこう

アヤシイ時がある

 

感覚だの

心に受ける印象だの

そんなものしか

じぶんのものはないかもな

と思うが

それらだって

かなり

アヤシイ

 

感覚や印象をズバズバ言うひとたちが

いつも

いつまでも

まぶしい

 

昔もいっぱい

いたなあ

あんなひとたち

 

トタンになにか

ひかりが反射したみたいに

まぶしい

 

みんな

いつのまにか

いなくなっちゃうんだけど

いつのまにか

その次の同類に取って代わられるんだけど

まぶしい

 

その一瞬だけ

まぶしい







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