2021年11月6日土曜日

毎晩100㏄ほどだけの白米

 

 

少年時代に長い病気をしたせいで

食べもののこととなると

健康本位でしか考えない習性がついた

日本でならごくふつうの白米食も

ろくな栄養はないし

すこぶる体に悪いと聞き学んで

あまり食べない時期が

何十年にも及んだ

 

ところが毎晩100㏄ほどだけ

いつのまにか食べるようになって

けっこう体にはよい感じがしている

玄米にする時もあるが

白米の軽さがけっこう気に入っている

ろくな栄養がないのだとしても

他の料理の後で食べるあの抜け感がいい

栄養価なら断じて玄米がいいに決まっているが

玄米の食べ方もじつはいろいろとうるさくて

玄米ゆえに含んでいる毒素が

じつはすこぶる体に悪いと説く人も多く

しかも玄米なら24時間は浸けておかないと

ほんとうは食べてはいけないとも言われ

かつて持っていた玄米信仰も薄れた

 

料理研究家が開発した鉄鍋が手に入ってから

100㏄だけの白米に

だいたい125㏄の水を加えて炊くのだが

数分強火で沸騰させてから

その後はだいたい7分で炊き上がる

10分もすればもう炊けているのが便利で

白米を炊くのには苦労がなくなった

 

長いこと使っていた炊飯器も捨ててしまい

米を炊くには鉄鍋や他の鍋しか方途がなくなったが

不便になったどころか便利になったし

逆に使い勝手もよくなった

そもそも20代はじめに家出をしてから

米を炊くにはふつうのステンレス鍋を使っていて

炊き方や時間の勘さえ身につけば問題はなかった

ふつうの米だけでなく黒米や赤米や

ハトムギや蕎麦粒やワイルドライスなどを炊き

穀物を火で炊いて食べることをし続けた

ある時に炊飯器を買ってみてから

むしろ堕落してしまったと思ったぐらいだった





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