わたくしにも
また
わたくしの
ボエームの時代もあれば
狂騒の時代もあった
それらが
みな
過ぎ去ってしまった今
フッと
読み直してみる
こんな歌
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
寺山修司の
『田園に死す』の一首
かくれんぼの鬼に
なって
なったまゝで
「もういいかい?」
と
くり返している
うちに
時は流れ
時は崩れ
時は変わり
「もういいよ」
とは
ついに
だれも言ってくれないうちに
老いさらばえて
しまって
あゝ
また村祭りをやってる
と
さまよい出て
きてみると
みんな
どこへ行ってしまったんだか
だれを探しに来たんだったか
わからないままに
じぶんひとり
まだかくれんぼの鬼のまゝ
「もういいかい?」
「もういいかい?」
と
口癖に
なってしまっていて
思い癖に
なってしまっていて
くり返している
「もういいかい?」
「もういいかい?」
どこからも
だれからも
返事は来ずに
ただひとり
「もういいかい?」
「もういいかい?」
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