Il est beau [...] comme la rencontre fortuite
sur une table de dissection
d'une machine à coudre et d'un parapluie !
Le Comte de Lautréamont《Chants de Maldoror》
解剖台の上でのミシンと蝙蝠傘の不意の出会いのように美しい
ロートレアモン伯爵、マルドロールの歌
野村伝四に
漱石が出した手紙のうちに
試験の採点が
遅々として進まぬさまを述べたものがあって
おもしろい
ビスケットをかじりて試験の答案を検査するに、
ビスケットはずんずん片付くけれども、
答案の方は一向進まない・・・
そうして
伝兄以て如何となす
と伝四に問うのだが
こんなこと
問われたって
しょうがないだろう
答案の採点などというものは
古今東西
どうしたって
一向進まないものなのだ
漱石が
ビスケットはずんずん片付くけれども、
と書いているところは
いちばんおもしろいように思う
ビスケットとずんずんが
こんなふうにくっつく用例など
なかなか日本語にはない
解剖台の上での
ミシンと蝙蝠傘の
不意の
出会いの美しさを語った
ロートレアモンなら
ビスケットとずんずんby漱石を
どう思っただろう
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