2022年2月6日日曜日

軍食堂のこういう運営のしかたは

 

 

軍の食堂で食べられるのは便利で

しかも

ヴォリュームもあるし

うまいし

なんといっても最高なのは

どれを食べても無料なことだった

 

個人で食費を出す必要は一切ない

大盛りを頼んでも無料だし

アラカルトで料理をくわえても無料だった

 

もちろん多めに食べる者には

他のふつうの量を食べる者に対してより

そのつど軍が多く負担することにはなるのだが

その程度の誤差はあらかじめ無視して

最初から多めに経費を投入しておくことで

全体の士気をつねに高めに保つほうが

軍全体としては益が出ると考えられていた

 

そもそも

他の者よりもつねに多く食べる兵士などというのは

ほとんどいなかった

食事を終えればつねに過酷な教練が控えていたり

神経を極限まで使う任務が待っていたりする

食べ過ぎれば心身が鈍くなるので

食事はおのずと適量にとるように誰もがなる

たらふく胃に詰め込んだ直後に何キロも走れば

途中で嘔吐することになるのだから

しばらくここで軍務につけば

食事のとり方については

だれもが賢明になっていくのだった

 

そうした事情を踏まえた上で

軍食堂に食べに来てきてみると

料理のバラエティーの豊富さやうまさや

無料でとれる量の自由さというのは

自分たちにとってちょうどいいぐらいの贅沢さを

いやな制限なしに見せてくれているようで

なかなか気持ちがよかった

軍食堂のこういう運営のしかたというのは

なんと頭がいいやり方だろうと

来るたびに

いつも思わされるのだった





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