長く眠るのにも体力が要るそうだが
休みだった昨日
一度も起きもせずに
平気で16時間も眠り続けた
夕暮れの目覚めだった
こんな眠りを
何度となく
学生時代からくり返してきている
生活は
何度となく激変し
10時間以上のこんな眠りを
あちこちの住まいで
経験してきた
ほぼ20時間眠っていたこともある
起きるたび
じぶんはいま何処にいたんだったっけ?
どの時代で
どんな人間をやっていたっけ?
そんなふうに思い
人格や属性や思いを取りまとめ
たしか寝る前は
こんな問題やあんな厄介事を抱えていたから
それらをとりあえずかき集めて
ごたごたした心理を演出するところから
また地上の演技を始めればいいんだろうかな
などと本当に思い
立ち上がって洗面所に向かったりした
起きないものの
眠りながら覚醒することもあって
そんな時は
ときどきこんな眠りを
死んだようにくり返しながら
ぼくはどこに進んでいくんだろう
こんなふうにしてどこまで行くんだろう
そう考えると
なんとも心細くなった
起きる時に日が暮れていたりすると
暗さよりも
明るい日中がひとつ過ぎ去ってしまったことのために
心細さはいっそう強まり
ひょっとしたら
もう死んでしまっていて
いま起き上がるこのからだは
幽霊のからだで
すでになにもかも終わってしまって
世界と思い込んでいるところには
もう誰もおらず
もうなにもかも失せていて
ただ灰色っぽい
がらんどうのひろがりがあるだけ
では
ないのか
そんなことを
よく
思った
もう誰もおらず
もうなにもかも失せていて
ただ灰色っぽい
がらんどうのひろがりがあるだけ
では
ない
とは
かぎらない
たしかに
ほんとうに
と
いまは
思う
いよいよ
そう
思う
いまは
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