2022年12月1日木曜日

ひとくくり

 

 

大学生とやりとりしていると

昭和をひとくくりにして捉えているので

その認識のあまりの粗雑さに

ひとことふたこと

言っておいてやりたくなる

 

かれらには

二・二六事件の頃も

高度成長期も

昭和天皇崩御頃も

どれもみな

ひとくくりできる昭和で

「なんか昭和な感じ」

「すごい昭和っぽい感じ」

などという形容が

ぽんぽんと

口をついて出てくる

 

昭和といっても

どの頃の昭和なのか

昭和っていうのは長かったからね

などと

いちいち正すと

小うるさい老人のように見られるので

適当なところで

放り出してしまうが

 

しかし

ぼくらだって

同じだったかもしれない

昭和しか知らない子どもだった頃

45年間の明治時代など

ひとくくりにして認識していた

歳をとるにつれて

明治時代のあちこちも

だんだんと細かく知るようになって

そうしてはじめて

明治明治と

ひとくくりにはできないのだと

わかっていったものだった

 

どの時代も

こんなものだろうか

江戸時代も

平安時代も

10年どころか

5年程度でもちがうと

世の中の雰囲気も

価値観も

まったく違っていたにちがいない





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