2022年12月11日日曜日

ヘンな頑張りをまずはすっかりやめてしまう

 

 

眠りは死よりも愉快である。

少なくとも容易には違いあるまい。

芥川龍之介

 

 


 

眠りは矛盾している

そう思いながら眠っている

眠りのなかで

矛盾を犯していると恥じ入ったり

眠りのなかで

こんな眠りを受け入れているようではいけない

と散々な自己嫌悪に陥る

 

心身を一致させた状態で

たえず生起し続ける出来事の連鎖に晒されるアトラクション

としての

現世に対して

眠りは

そのもの

である

 

目覚めている際には

あれにも

これにも

注意し続けなくてはいけない

などと

神経を煩わせ続けているというのに

眠ってしまえば

すっかり自我も忘れ切って

統一意識の死

そのものとなる

 

バカなのではないか?

人間存在は?

人間存在の基本構造そのものが?

どうしても思う

 

他方

眠りは

現世という冒険世界を生きのびるための

力の回復と心身の成長

必要だとも

見られる

 

眠ってしまえば

身体の生存は保証されないというのに

そんな脆弱な状態のなかで

力の回復と心身の成長

図る存在構造が

そもそも

欠陥商品ではないのか?

 

やはり

バカなのではないか?

人間存在は?

人間存在の基本構造そのものが?

どうしても思う

 

かくも

眠りは矛盾している

眠りという

人生の基本構造の設定は

矛盾している

 

人生と呼ばれる

生起し続ける出来事の連鎖に晒されるアトラクション

あちらこちらが

矛盾

しないはずはなかろう

 

ヘンな筋を通そうなどと

ヘンな頑張りを

まずは

すっかりやめてしまうことだ






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