2022年12月9日金曜日

ピタッ

 

 

ことばというのは

なかなか

擦り切れたりしなくって

未来永劫

とか

なんとか

言いたくなるぐらいのところまで

使われ続けて

いく

ろう

 

でも

個人個人にとっては

擦り切れる時が

来るんじゃないか

思うんだな

きっと

 

だんだん

しゃべらなくなる

だんだん

ものを記さなくなる

 

 

それで

いいんだと思う

 

ピタッと

ある時

書かなくなってしまった

詩人たちを

何人か

知っているよ

 

たくさん

たくさん

書いてきていて

ある時

ほんとに

ピタッ

 

世界中に

停止を告げるその音が

鳴り響いたぐらいだ

 

ピタッ

 

そのたび

思ったものだ

 

詩人が立てる音って

これか

この音に到達するために

百万言を

労し

弄したわけか

 

ピタッ






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