いつからか
ぼく
死んでいたので
ひと死にも
遠巻きに
平気で
見てしまえて
いる
だれの
いのちにも
行為にも
思いにも
感情にも
なんの価値も
この世では
ない
こう確信しての
地上滞在が
夢として
まだ
続いている
かのよう
夢
として
まだ
さわがしく
あるいは
活気に溢れてでも
いるかの
ように
うごめいていた
どんな人も
数十年で
鳴りをひそめる
かならず
これが
地上
の
おきて
だれよりも先に
ぼく
死んで
いたので
ああうるさい
はやく
死んでしまえばいいのに
と
思った
みんなも
それは
でも
まちがい
例外なしに
死んで
いたのだ
みんな
さわがしく
あるいは
活気に溢れてでも
いるかの
ように
うごめいていた
のは
やはり
騒霊
に
すぎなかった
死んでいたのだ
みんな
ひとり残らず
ぼくより
深く
ぼくより
先に
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