2023年7月4日火曜日

せっかくの夏というのに

 

 

せっかくの夏というのに

都会で電車に乗っても

遠くの空の青を見つめているような

澄んだ

ぼんやりした

開け放った頭の人が

いまは少ない

首をスマホという板に落して

電子反応ばかり見つめて

「いま此処」でない世界にだけ

思いを込め

魂を飛ばして

毎瞬毎瞬を

取り逃がしていく

 

せっかくの夏というのに

あそこには

よく鍛えられた腕の筋肉のような

入道雲も

ぐんぐん盛り上がっていく

というのに






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