死んで動かなくなったひとがこわい
などと
死んでおらず
生きて動いているひとは
思う
死んで動かなくなったひとのかたわらで
夜を明かしたこともあるが
べつに
こわくなかった
動かなくなったひとは
こわくないんだな
というのが
けっこう
驚きだった
死んで動かなくなったひとをこわがるひとは
死んで動かなくなったひとが
もし動きでもしたら
と思うから
こわいのらしい
動かないはずのものが
動いたら
と思うから
こわい
の
らしい
でも
生きて動いているひとだって
ほんとうなら
動かないはずじゃないか?
ほんとうなら
生きていないはずじゃないか?
ぼくは
子どもの頃から
そう
思ってきた
だとすると
生きて動いているひとって
こわい
生きて動いているひとこそ
こわい
そう
結論しそうになりながら
生きて
動き続けてきた
こわいものに
乗せられちゃってるなァ
と
結論しそうになりながら
生きて
動き続けてきて
こわい
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