時の経つ速さに驚かされる
というのは
むかしからの
人間たちの決まり文句
時は
世間でふつうに思われているほど
流れたり
過ぎ去ったりしない
と
わかっているので
これには
あまり賛同しない
時というものは
たぶん
ない
とさえ思っている
けれども
つい
このあいだ
7月がはじまったり
8月になったりしたのに
もう9月か
ということには
けっこう驚かされる
つい
このあいだ
梅が咲いてよく香っていたのに
桜がほころびだしていたのに
などと思うと
もう9月か
ということには
ほんとうに驚かされる
この驚きから
ひとは
時の経つ速さとか
時間の過ぎ去る速さとか
思うように
なったのだろう
しかし
季節の推移や
月の名の移りかわりは
時間ではないし
時間が流れたということではない
そう言うと
ヘンなごね方をしているようにも
聞こえかねないが
ここのところは
けっこう重要なところ
時間は流れず
時は経たないのに
そうであるかのように思おうとして
ひとびとは
なにかから目を逸らし続けようとする
たぶん
時間が存在しない
という
あまりに重大な基本の事実と
その認識から
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