2023年10月19日木曜日

B1


 

 

仕事で表参道に行く時は

メトロの地下駅から

階段やエスカレーターで

地上に出る

 

B3で出る時は

エスカレーターがあるので

けっこう

 

でも

B3が混んでいる時には

(混んでいるのが嫌いなので)

B1にまわる

 

B1にはエスカレーターがない

最初から最後まで

階段だけ

 

疲れている時など

これを上るのは

最後のあたりでつらくなる

 

上れない

もうダメだ

と思ったことはないが

これを上れなくなってしまう時も

いつか来るのか?

とは思う

 

足腰が弱まったら

まず

上り切るのは

無理

 

足腰を痛めても

無理

 

心臓に問題があったら

無理

 

ほんとうに年老いたら

やはり

無理だろう

 

いつまで上れるだろう?

などと思うと

「箱根の山は天下の険・・・」とか

西行のあの和歌

「年たけて又こゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山」とか

思い出したりする

 

そうして

箱根や

小夜の中山とかを

頭のなかで

ちょっとぐるぐるさせながら

スパイラルホールの前に

出る

 

京都だったら

知恩院の

三門をくぐったところに現われる

男坂

 

あれを上っていくたび

いつまで

これを上っていけるだろう?

と思う

これを上れなくなってしまう時も

いつか来るのか?

と思う

 

スパイラルホールの前に

出ながら

知恩院の男坂を

いつも

思っている

 




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