78年前
大規模な空襲を受けて
すっかり灰燼に帰した場所に
いま
住んで
2023年に
灰燼に帰そうとする場所の
たくさんの
写真を
映像を
スマートフォンや
iPad miniで
Xのタイムラインを追いながら
チラッとでも
目に入ってくるたび
見続けて
いるのです
いま
住んでいる
この場所が燃えていくときを
また
燃え尽くした後を
短歌に残したひとたちが
いたのを
思い出しながら
悲しくも火に囲まれし人人や駈け来駈け行く駈け駈け廻る
都築省吾
炎去りよろめき立てば焼け死にし人ころがれりうしろにかたへに
都築省吾
布団かむりゆらゆら来たる女ありあはれ一夜に気やふれたるか
平崎三郎
頭髪のやけうせしむくろみどりごをいだきてころぶ日の照る道に
天久卓夫
焼死体をトラックに積む兵卒ら無造作なり荷物を扱うごとく
能重真太郎
火に耐えて形たもちし瀬戸ものの洗へば崩るわが手の中に
藤村省三
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