2024年3月9日土曜日

流体的記憶


 

いそがしく働き続ける意識の

いちばん表面にある

もっとも敏感に反応し続ける知の印画紙の部分で学んだことは

すぐに失われてしまう

 

そこは

物事が起こっている当座

かなり微細なことまで記憶して反応し続けるのだが

物事からいったん離れると

驚くほど急速に色褪せ

細かい情報は印画紙上からはすみやかに失われる

多少の情報は残っていても

それらの情報間の連結は

現地で経験した真の連結とは異なっていて

真実とは遠いものとなってしまっている

 

なので

潜在意識というようなことまで言わずとも

意識表面の印画紙の部分よりも

もうちょっと下のほうで

学びは

行なわれないといけない

 

いい子ぶりの得意な表面知とは別の

一枚下の

やや鈍い知にこそ

情報や対象構造などを写し取ってもらわないといけない

 

たぶん

一枚下の

やや鈍い知は

流体のようなものでできていて

そいつの記憶のしかたは

流体的記憶

とでも呼ぶべき様態のようなのだ





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