だれよりも世界に
人間に
絶望しているわたしだが
それでも
すばらしいひとびとが
この瞬間にも
たくさん居るのは
よく知っている
そうしたひとびとの存在に
気づきながら
それでは
わたしの絶望は
いったい何への絶望なのか?
とは
よく問い直す
五月になれば
つよい芳香を漂わせて咲く
あれらの藤の花房に
大きな羽音を立てて寄り来る
マルハナバチを
過度に怖がりすぎる子や
美しく咲きあふれる花壇の肥料の臭いを
大げさなまでに嫌う
娘たちのように
わたしもまた世界に
人間に
絶望しているのか
それとも
絶望しているわたしにこそ
わたしは
絶望しているのか
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