夜に入ってからの買い物
そこから
歩いて帰ってくる時
賑やかな料亭のようなところのシーンがある映画を
見ている
自分を見ている
感覚があった
料亭では
あちこちの部屋で
大小の宴会が催されていて
歌ったりはしゃいだりする声が
方々で上がっている
廊下に出て
酔った頭を少し冷そうとでもするのか
庭に向いて柱に寄りかかって
ボーッと立っていたりする人たちもいる
そんな光景を
少し上のほうから撮っている
実際には映画を見てもいないのに
意識の中にこのように映画が見えていることがあり
さらには
大きなモニターのある部屋を暗くして
ひとり
それを見ている自分が
意識されたりもする
夜の買い物から
歩いて帰ってくる時に
いまの自分となんの関わりもない昔の
たぶん明治や大正の頃の料亭の様子を撮った映画を意識の中に見
それを見ている(昭和後期頃か平成中期頃の)自分を意識し
ああ、このことは
死んだらきっと思い出すだろうな
生きているというのはこんな状況のことだった
と思い返すだろうな
そう
痛切に感じた
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