気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
ヒデルノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
宮澤賢治 「雨ニモマケズ」
どのような小径を
くねくねと
たどって
このことば
あのことばは
ぼくの指さきから
外へ
出て行きたがって
いるのか
そこを
しずかに
あせらずに
聴き取りつづけないと
けっきょくは
生まれそこねた
ことばのべた塗りに
なってしまう
あたかも
いいことのように
ことばのべた塗りが
称揚されかねない時代には
訥弁の
でくのぼうのようで
ありつづける
ことも
チガヤの白穂の群生のように
豊かなこと
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