2015年3月23日月曜日

空気が一変した部屋にいて



  
ふと思い立ち
休みの日
机まわりを中心に
部屋の整理を
早朝から夕方まで

空気が一変した部屋にいて
あまりの気持ちのよさに
次の休みの日には
さらに整理を
と思う

次にやることは決まっている
他人の言葉を
手紙から本からなにからなにまで
捨てること
あらゆる詩集を
もう昨年までに捨ててしまったように

そうして
自分の言葉も
自分にまつわる言葉も
捨てる
部屋の中のどこをさがしても
自分の履歴も
思い出も
短いメモさえも
見いだせなくなるように

明日処刑されるかのように
身のまわりを
すっかり片付けてしまうこと

あゝなんという
豊かさ

言葉はあまりにしばしば
防壁だから
拒否の緻密な
頑強なねっとりした
壁だから




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