2024年4月24日水曜日

「韻律」と「音数律」

 

 

それはだつて結局つまりうるさいな毎晩ちやんと抱いてるだらう

 荻原裕幸

 

 

 

 

短歌の話をする時

5・7・5・7・7の“韻律”

などと

言ったり

考えてしまったりする

 

辞書をひくと

韻律という言葉は

そのように使ってもいいようなのだが

ひさしぶりに

吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』を見ていたら

短歌論のところで

彼はちゃんと「韻律」と「音数律」とを区別している

吉本自身が創出した用語というより

彼が依拠している金田一春彦の『日本語』によっているのかもしれない

金田一春彦は

「日本の詩歌の形式で、

七五調とか、五七調とか音数律が発達しているが(…)」と

「音数律」という用語を使っている

 

はじめから

「韻律」と「音数律」とを区別しておいたほうが

詩歌について語る場合は便利だろう

「音数律」という言葉を用いることにした瞬間に

短歌に関わる者の頭は

急に明解になっていく部分がある

 

助詞や助動詞を

吉本隆明は「自己表出語」と読んでいるが

まさに助詞や助動詞は

感情や思念を出すための品詞なので

このように呼んでしまうことには意義がある

学校文法で「自己表主語」として教えれば

生徒たちには

はるかにピンと来るかもしれない

 





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