猛々しかった夏
なのに
いつか大人になっていたね
照りつけようも
すっかり
やさしくなって
万物のよわさ
こわれやすさを知る
おおらかな
暑さ
みどり
風
水のひろがり
花から花へ
つらなっていく
のこりの夏の
さまよ
目を持ち
耳をひらき
肌のすべてで受ける
色あざやかな
この世
挨拶ばかりを
送る
ほかはない
充溢
わたくしは
また
ことばを
思いを
ほつほつ
ほつほつ
散らしながら
いくよ
もう少し
すこしだけ
あのほう
むこうのほう
まで
(ぽ392号・2010年8月)
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