駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2010年12月14日火曜日
ゼリーの御夕食
冬もこほらぬみなわなりけり
(紀貫之・古今集五七三)
夢よりも細い小道
つばき湯搔いて
サイネリア園の寄り道
紫檀の箸ポケットに
今年最初のメール
赤々と暮れゆく母よ
ちりちり剥けて酒
鶯の椅子の下の渓谷
倫子さんの臍しらじら
干し薔薇苦悶慟哭
Oh
、河下りより乙女
腿、桃、漂白剤、膠
とうに銀河の蛇口
見える山を見る警部
眠い三四二六頁
逝くというから莢
湘南湘北帆の浮き名
夢からも細い小道
ミソサザエ追って
銀座から仙石原
ああ愛欲も澄んで
今日もゼリーの御夕食
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