子ども時代はいちどだけ
だからそれは絶対
青春もいちど
中年も老年も
いちど
二度とこない場所が次々つらなって
生は流れていくよ
時間という場所
場所というたましい
この世のすべてを
まぼろしという人がいるけれど
まぼろしではない
虚無というものはない
どの時間にも
いっぱい果肉がつまっている
どの場所にも
触れられるほどに
それが感じられないなら
生き方がまちがっている証拠
時間も場所も
熟れきった果実のよう
死はない
いなくなることはない
それが見えず触れないならば
まちがった道にいる証拠
まぼろしではない
ものはすべて
ものでないものと繋がっている
ここはあそこと
未知の心は
わたしの心と
感覚のせまい人びとが
見えないものを見ようとせず
のさばってきたね
感覚のせまさは刃となる
時間も場所も
熟れきった果実のよう
その香りが嗅げれば
たどっていけないような
心や頭の道がある
たったいちどの
老年に達する頃には
たいていの人が
わかるようになる
たどっていけない道はどれか
心や頭を
どう進めてはいけないか
たったいちどの子ども時代から
わかるようになるだろうか
それは
たったいちどの青春や
中年のさなか
忘れないでいけるようになるだろうか
それを
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