2011年9月17日土曜日



そうしてどこへ
木も草も枯れ切って
失せた河原
しらじら
どこへ
なに
そうして
ひとり?(前から)
ひとり?(はじめから)
ひとり?(うそ)
ひとり?(思いのなかで)
ひとり?(という甘え)
足は歩む
進む
意思などいらず
ヒトは
思想ではないから
落ちている
ストロー
キャンディーの包み紙
よじれたティシュ
要らないもの
しらじら
ここに
いまに
それぞれの骨
捨てられたもの
拾われないもの
惜しまれないもの
それぞれの骨
どこへ
そうして
むかうのを止めたのに?
時間の河よ
行くのね、おまえだけ
すべてに支流をめぐらせて
すべてを引きこみながら
逸れる必要?
逸れるべき?
河から?
骨になり切って?
ここに
いまに
貼りついて
どうするの、そして?
街へ?
なつかしい香り
ぬくさ
ざわざわと
惑わす
なにか大事なもの
あるかのように
ないのに
なにも
時間の河
なめらかに進ませる
だけの
ざわざわ
もう戻らないでしょ?
決めたでしょ?
帰っていくなんて
場所
あたしにはない
ここに
いまに
貼りついて
おらず
はらはらと
動き
戻り
時代の
流行った感性の
考え方の
振舞い方の
しゃべり方の
あたし
あなた
みんなそうよね
骨として流れ続ける
時間の河
用なし
はじめから
まぼろし
それの表に貼りついて
生きていたかの
ような
まぼろしの心
思い
こだわり
仲間うちの
認めあい
ひとりひとり
抜けていくのよ
お仲間
ほかの群れは
別のお仲間などに
見向きもしない
そうして
枯れ切って
まだ生きてるなんて
まぼろし
それも
しらじら
燠火の
白くかたまった炎
行く
行く
絶対の停止へ
終了点へ
死と忘却を完成せよ
命じられて
力みなぎるわずかの間
ちょっと乗せられて
おろかな仕事
おろかな思慮
おろかな配慮
おろかな労苦
やがて
吹き外され
乾いて
末端いたるところから
ぼろぼろは芽を出す
骨にむかって
まっしぐらの肉体と
分解にむかう
精神
勢神の時はあった?
やがて
静神
清神にはならず
聖神にはならず
おろかな終末
したことも
しなかったことも
みな骨
キャンディーの包み紙
折れたストロー
よじれたティシュ
なにか大きな
災害の後
拾われぬままの
小さな塵芥
人生
刈り取られぬ実り
落ち穂拾いの後
なお残る小さな種
自分だけが
知っている多量の時間
量はどこへ
質はどこへ
残そうとしても詮ない
別の群れは
引き継がないから
おろかな配慮
残す
残さぬ
価値
効果
未来
過去
現在
ここに
いまに
しらじら

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