駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2012年1月14日土曜日
心の手に掬う
幾重にも梱包された
重い荷物のように
モーツァルトさえ
感じられる
どの荷も
今日は解かずにいよう
古い椅子にからだを落とし
見るでもなく
聞くでもなく
なにかを
いつもしているという不幸
時間の過ぎ去りの
継ぎ目
継ぎ目と
友だちになって
なんだか
誰も来ない牧場を
そぞろ歩きしてきた気分
(…あの人たちのように
(生きたくはないな
追わない思いがある
ひろげない
思い
ぷつぷつと
生まれ続ける
細胞たちこそ健やかなれ
そのための
肥やしになるものだけ
心の手に掬う
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