(2007年4月29日の反古に2012年2月15日手を入れ直す… 予期もせぬ註付きで…)
深夜など過ぎて
とうに過ぎて
そろそろ朝がた
朝に入っていく頃
渋谷を歩いて抜けて帰る
通る車も少ないのに
律儀にながい信号を守って
横断歩道のほとり
待っている
すると
過ぎていく車
車
美しいのだ
どれも
ボディに流れる街灯や
信号のあかりが
すずしい光の筋になって
(頂点ニイル!
(ヒトリデコンナ美ヲ獲テ!
(…コノ世ニハ
(友ヲ持ツタメニ来タノデハナイ
(愛サレ理解サレルタメニ来タノデハナイ…
落ちてくる
思いの
いなずま
また一台
美しい光の流れを曳いて
過ぎていく
友もない!
国もない!
守り拠る文化もない!
行くべきところもない!
また一台!
また一台!
(頂点ダ!
(頂点ニイル!
*なぜ行間を取り、カタカナに書き替え、「!」を多用することにしたんだろう?今日、2012年2月15日、東京、曇り、寒い、寒い日… 少し体調悪く、シリア情勢悪く、ジェイムス『大使たち』の翻訳酷く、苛立ちアリ。おお、はやくBalzac、La peau du chagrin(バルザック『あら皮』)再読にかかりたい!ちょっと若書きの、あの本の中に、この間、ちょっと気まぐれに捲った際、至上の行を幾つも見出し直していた… 1980年頃、バルザスィアンだった私は、いつも携えていた、どこへ行くにもPléiade版巻Ⅹの『人間喜劇』哲学的研究… 鑑賞用ならぬ感傷用に、中島みゆきと大貫妙子をよく聴いていた… 李さん、元気かな… 在日二世の李さん、太い腕、肉付きのよい肩、胸、がっしりした腰の李さん… 80年代は、あなたの匂い、五月末の木々の青臭さに混じって… もう30年以上は過ぎ、長く長く仕舞いこまれたままだった鮮やかな、熱い、雰囲気だ… 変な註を書く気に今日はなって… 註と本文とどちらが大事か、主か、本当は、註と本文とでは… 細い線を、いや筋を、引くように生き延びてきて、こんなところで李さん、あなたをありありと思い描いている…
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