駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2012年4月19日木曜日
その肩に手をかけながら
その肩に
手をかけながら
窓外の桜を見ている
誰の肩か
その肩に手をかけながら
ひとつの曇りもない
広いガラス窓の
サッシから
見ている
散っていく桜
窓のまわりに壁はなく
窓だけ浮いている
そこを通して
見ている
散っていく桜
宙に浮いた大きな窓の
さびしい涼しさ
そこを通して
見ている
散っていく桜
思い出へ
凝っていこうとする
心糸も消えて
見ている
散っていく桜
誰の肩か
その肩に手をかけながら
宙に浮いた
大きな窓から
見ている
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