駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2012年4月20日金曜日
一茎の未知が伸びるのを
ひとりっきり
知識の瘡を削ぎながら
書きつけ始め
湧く海
ひさしぶりに足先を浸す
薄い布地のズボンに
水が沁みてくるような冷たさ
岩に直にすわって
咲きとめる
地球
時間について
考えるのをやめよう
考えが
考え自身の胴に腕をまわし
そこから細い
一茎の未知が伸びるのを
待っているから
言葉の使い方を
いま少し湿らせれば、…舟よ
温かい海に向き
狭いが
大空の下の砂地に
芳しい南の花のように
朽ちていけ
乾杯!
使わなかった
鶴嘴やシャベルは
いつまでも
墓標の比喩には
なるまいから
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