2012年7月26日木曜日

気配



ボワローばかりか
詩の真の王ユゴーや
社会と渡りあって書くことの大家ブレヒトが
あんなに精力的に政治批判を書いたのに
にっぽんの詩人たちはヘタレだからね
誰も書かないみたいだよ
実名で政治家を非難したり
政治論を展開したり
あんなにやったのにね、彼らは
それ以外のたくさんの詩人たちも

わざと抽象的に
あるいは
私的な日常の隅っこをじくじくほじったり
モダニズムや現代詩で流行った痙攣ぶりをなおもくり返したり
にっぽん伝来の侘び寂びや
あからさまにあるいはひそやかに
花鳥風月を落としどころにしようとしたり
巧妙に政治と切り離したテーマで必死に小市民たらんとしたり

だから谷川俊太郎や
櫂同人たちしか読まれなくなるんだな

居場所を失った
金子光晴が
どうやら化けてでてくる
気配
するだろ

するぞ



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