2012年8月27日月曜日

八月句 (三)



八月十三日

鏡花漱石荷風八雲と展墓かな

夕方は鮨喰ひに出る生身魂

八月十四日

汗拭いつつ見残して稲の花

芭蕉葉も汚れてをれば雨も良し

をみなへし政治談議は人にさせ

原爆忌塩麹漬けの胡瓜食む

吟醸も濁りも揃へ大文字

八月十五日

懐かしき軒先となり岐阜提灯

盆の月生きて見てゐる不思議さよ

朝顔の見飽かぬ青や朝散歩

ひきもきらず蝉の来て啼く小庭持つ

終戦の日や忘却も人の(さが)

井戸水を汲む楽しさよ西瓜来る

夜顔の誰かに似たる誰ならむ

ブルーハワイ色なき風の吹かぬ夜に

盆の道吉野家マクド突つ切つて

スーパーの入口俄かに草の市



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