時計の針がどれだけまわっても
来ないむかえ
ほとほと待つのにもあきて
まっさおな くさはら
少なめのサンドイッチをたずさえ
わざわざ来てみる
まぼろしのよう
羊がそこここ
口をよこに もぐもぐさせながら
どうしてあんなに あきもせず
ぼくを見つめるんだか
ひとりで風に吹かれている
あまりに遠い
遠すぎるなにかを 思い出してきてしまう
そんな 遠すぎるなにかが
わざわざ むかえに来てくれるわけでもないだろうに さ
待っていたのは
どうやら そんなあれこれ
少なめのサンドイッチを ゆっくり食べると
これはこれで
ちょうどいいぐらいの
量だったりして
ぜんぜん歩み出していなかった と気づく
ながいこと生きてきたようだけど
ぼくの歩み方は あんなものとはまるでちがうんだ
足があるから自分で歩ける などと
そんな簡単なものじゃない
歩かされてただけじゃない と
断言できるかい、きみ?
羊がまだ もぐもぐ見ている
もぐもぐするのが 見ることの一部みたいに
残りのサンドイッチをもぐもぐしながら
ぼくも 見られていたり
羊を見かえしていたり
そうして 足に
もっと ほんとうの足が入っていくのを
ずいぶん しずかに感じている
くさはらは まっさお
こんなはじまりの場所 って
出来すぎてるみたい
すてきだ
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