ひかりの魚群の夢を
きれいな小封筒にさしいれて
過ぎた日のカフェの昼さがり
ボーイは純白のシャツを着て
がんぜない夢の光景の
成就のように立っていた
盛時をすぎて
去っていく流星のわたくし、か
静寂のほのおとして
その光景からも外れていた
はじめての魚の子
星のはなしに入ろうか
しずかなテーブルにつどい
中央にはとおい銀河
音のない風がながれて
雲のむこう
かいま見たのは きっと
澄んだ流水に目をひらく
はじめての魚の子
透明なものの友として
わたくしたちはいつまで
空気の濃淡を容易に読むだろう
ことさらに具象に走るのはやめて
見えないものをよく見ようとひらく
いくつもの見えない目
星のはなしは尽きず
さらさらと
まだ日も高いのに流れる
こまかい無数のひかりがある
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