2012年12月20日木曜日

ふたたび世界にむけた魂を



やわらかい雨に
湿りけに
救われて
救われたようで
ぼんやりと霧雨の野を見続けておりました

霧や霧雨を通してなら
世界はやさしく
美しく
いろいろなものは場所にやすらぎ
遠いもの
隠れているもの
消えていったものや
失われたものまで
微細な水粒のヴェールの隙につながって
すべてがある
来ている
そんな強い集結感が
やわらかく
あたたかく
漂って
ゆっくり
ゆっくりと
流れているのでした

しばらく此処に留まっていよう
澄んだ青い幽霊たちが
峠の見晴らしのいいところに
ずっと立ちつくして
何年どころか何世紀も
むこうの
そのまたむこうを
いつまでも見続けているように

かつては透明な
微細な
かたちをとったかと思えば
すぐに変形していく
水の素だったと
染み透るように思い出が来て
うれしいせつなさに
体の芯から指先まで悶えるようです
この悶えが
ああ、世界の本質ではないか
世界とわたくしの出会いの
本質ではないか
うれしさは今ふたたび強く熱を持ち
この悶えから
わたくしはふたたび
世界にむけた魂を
作り直そうと思いはじめました



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