《内心つよく感じている狼狽をまき散らすなんて
偉大な心にはふさわしくないこと…》**
クロチルド・ド・ヴォ…
オーギュスト・コントに熱愛されたが
結核で早逝した女
大言壮語のロマン主義の時代のさなか
なかなかに
決然たる控え目さの
称揚
あのコントを
神秘主義に導こうと努めたらしいが…
しかし《偉大な心》という思いは
偉大な心には
ふさわしくない…
クロチルド・ド・ヴォ…
三十で死んだ
まだ若かった女よ
心が偉大である必要はない…
《偉大》などという表現を
自分に着せようともしないことだ…
控え目さを
いかに謳おうとも
大言壮語のロマン主義から
ついに脱せなかった女…
クロチルド・ド・ヴォ…
コントのほうが
はるかに先へ行った、ということか…
神秘主義、…?
実証主義、…?
先へ行く、
とは、
どういう、こと?…
クロチルド・ド・ヴォ…
*Clothilde de Vaux (1815-1845)
**《Il est indigne des grands coeurs de répandre le trouble qu’ils ressentent.》
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