2012年12月6日木曜日

クロチルド・ド・ヴォ…*


 

《内心つよく感じている狼狽をまき散らすなんて
偉大な心にはふさわしくないこと…》**

クロチルド・ド・ヴォ…

オーギュスト・コントに熱愛されたが
結核で早逝した女

大言壮語のロマン主義の時代のさなか
なかなかに
決然たる控え目さの
称揚

あのコントを
神秘主義に導こうと努めたらしいが…

しかし《偉大な心》という思いは
偉大な心には
ふさわしくない…

クロチルド・ド・ヴォ…

三十で死んだ
まだ若かった女よ
心が偉大である必要はない…

《偉大》などという表現を
自分に着せようともしないことだ…

控え目さを
いかに謳おうとも
大言壮語のロマン主義から
ついに脱せなかった女…

クロチルド・ド・ヴォ…

コントのほうが
はるかに先へ行った、ということか…

神秘主義、…?
実証主義、…?

先へ行く、
とは、
どういう、こと?…

クロチルド・ド・ヴォ…





*Clothilde de Vaux (1815-1845)
**Il est indigne des grands coeurs de répandre le trouble qu’ils ressentent.



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